(夏子ちゃんからの視点)
今朝は早苗ちゃんと揃っておねしょをしてしまった。しかも、私のおねしょはひどく、背中からお尻にかけてぐっしょりと濡れていた。
私は今朝、あのおねしょを見て、何とも言えないトラウマを思い出してしまった。
それは中学生の修学旅行の時の話。2日目の夜、私はなぜか、悪夢に襲われた。
学校から帰る途中、2人の魔法使いに突然さらわれてしまい、魔法にかけられて眠ってしまった。
気が付いた時には、私はコンクリートむき出しの無骨な箱部屋の真ん中に閉じ込められていた。
右端に一ヵ所だけ扉があったが、魔法によって鍵がかけられ、私がどうあがいてもこの部屋から脱出することは不可能だった。
それを見た2人は気に食わないのか、私を元の場所に引き戻し、今度は1人が私を床の上に仰向けに寝かせて魔法で拘束し、さらにもう1人が私に魔法をかけた。
気がつくと、、私はなぜか赤ちゃん返りしていた。
だが、今まで見続けてきた部屋とは全く異なる雰囲気と、2人に気圧されて、私は泣き出してしまった。それを見かねた2人は、
「うるせーな、黙れ赤ん坊!」
と怒鳴り、どこからともなく持って来たバケツを人肌ほどのぬるま湯で満たし、それを私のお股めがけてぶっかけてきた。
全身がぐっしょりと濡れ、更なる不快感で私の泣き声は一層強くなる。
それにさらに腹を立てた2人が魔法をかけると、私は堪え切れない『波』に押され、その場でおもらしをしてしまった。
そしてぬるま湯で感じた不快感に、おしっこの不快感と恥ずかしさで、大声をあげて泣いてしまった・・・。
ここで私は誰かに起こされた。目は潤み、まだ夜だというのに部屋は明るかった。
背中からお尻にかけて、あのぐっしょりと濡れた不快な感触が襲う。
私を起こしてくれたのは、駆けつけて来た担任の先生だった。先生によると、この時、私は本当に夜泣きをしてしまっていたらしい。
夜泣きとおねしょという、本当に赤ちゃんがするようなことを中学生にもなってしてしまったという恥ずかしさがまず私を襲った。
そして、自分の泣き声のせいでみんなの眠りを邪魔してしまったことに対する申し訳なさで、私の心はぺしゃんこに押し潰されてしまった。
結局、私は3日目の朝に、他の生徒よりも早くリタイアし、自宅に帰った。
家では昨夜の事件の内容を先生から伝えられていたママに、
「なっちゃん、昨日の夜、おねしょしちゃった上に夜泣きもしちゃったのね。一体どうしたの?」
と問われた。私は素直に夢の一部始終を説明すると、
「あらぁ、相当怖い夢見ちゃったのね。よしよし、今日からおむつしましょうねぇ」
とその夜からおむつを穿くことになった。そして、その後3か月くらいはずっと、夜はおむつのお世話になっていた。
学校では、心無いクラスメイトから
『おねしょのなっちゃん』
だとか、
『寝小便女』
などとののしられ、それ以降私はまともに学校に通えなくなった。
それどころか、おねしょだけでなく、おもらしもし始めるようになってしまい、結局昼夜を問わずおむつが必要になってしまった。
ママと先生は優しく介抱してくれたけど、この苦すぎる思い出が、私がおむつ好きになるのを抑え込んでいる気がしたのは今に始まった話ではない。