夏子ちゃんにテープ型のおむつを着けてあげながら、ふと私は夏子ちゃんの方を向いて、こう言った。

「なっちゃん、この前はごめんね。同級生だというのに、すごく恥ずかしい思いをさせちゃうことを言っちゃって・・・」

「ううん、私こそごめんね。私もね、本当はおむつ穿いてみたかったの。

でもね、中学生の頃、おむつのことでトラウマになっちゃってね、それで

『おむつしたい!』

ってちゃんと言えばいいのに、

『おむつなんてしないし、おむつ好きだなんて頭おかしい』

って言っちゃって・・・。

私、おむつ好き失格だね。どうせ失格なんだったら、もうこのままずっとおねしょが治らなきゃいいのに・・・」

「なっちゃん、おむつ好きに落第も失格も無いよ!

それに、おもらしとか、おねしょしちゃう方が、生活する上では辛いと思うよ。

なるのもやめるのもいつだって自由だし、本当におむつが好きだったら私、なっちゃんのことを止めたりなんてしないよ!

でもね、なっちゃんがどう思ってるのか、ここでちゃんと聞きたいな!」

「さなちゃん、私、おむつがしたいの!さなちゃんと一緒におむつを着けて、一緒におむつ遊びがしたいの!」

「ありがと、なっちゃん。これでなっちゃんも、晴れておむつ好きの仲間入りだね♪」

「うん♪」

こうして、私と夏子ちゃんは、仲直りを果たした。と同時に、夏子ちゃんのおむつを着け終わった。

「さ、なっちゃん、おむつ着けたよ!」

「えぇ~、終わったんだったら、お股のとこポンポンしてぇ~」

「もう、しょうがないなぁ」

お股のところをポンポンと軽く2回叩けば、おむつ替え終了の合図。今度は立場が逆転し、私が夏子ちゃんにおむつを着けてもらう。

「いつ以来だろう、久しぶりだなぁ。お父さんとお母さん以外の誰かに替えてもらうの、これが初めてだなぁ」

「そうなの?」

「うん。それにしてもねぇ、なっちゃん、おむちゅちゅけるのうまいねぇ。さな、ふにゃふにゃのとろんとろんになってきたよぉ」

「ちょっと、さなちゃん」

私は夏子ちゃんにおむつを着けられて、夢見心地な気分に浸ってしまった。ずっとおねしょが治らなかった頃の、苦くて甘い奇妙な思い出。

毎晩、恥ずかしい格好でおむつを着けられ、毎朝ぶよぶよとおむつが膨れてしまうほどたっぷりおねしょをしてしまう体のだらしなさに苦痛を感じ続けてきた。

一方、お母さんのするおむつ替えはとても丁寧で、心が少しずつとろけていきそうな感じだった。

お母さんが心がとろけてしまいそうなほど私を甘やかしてくれた分、私はもっと甘えを欲しがって、毎晩おねしょをし続けていたのかもしれない。

おねしょは恥ずかしいことだったが、おねしょをした朝は、なぜか心のもやもやがすっきりとしていた。あの頃の私はこれを、お母さんの魔法だと信じ続けていた。

そして今、ようやくその魔法を思い出した。そして、

「再びお母さんの魔法にかけられたい」

と願っていたことに、ようやく気づくのだった。