「私・・・、部活の試合でボロ負けしちゃいまして・・・、友達はそのことは黙っててくれたんです。

その代わりに、自分の好きなもの大切なものを、一番好きな人の家に侵入して置いてこいって言われたんです・・・」



何という友人だ。人の恥を利用して、したくもない犯罪に手を染めさせるヤツなど、許されるべきではない。



「んで、そのおむつはお前と何か関係あるのか?」



「はい。好きなものでもあり、無ければ生活しづらい大事な物でもあります」



相手は中高生ぐらいだと思われる。

そんな多感な年頃のヤツにとって、おむつは目をそらしたい恥ずかしいものだということは、俺でも分かる。

だが、今の相手の返事には力強さが感じられた。何ていうかこう、自信とか、決意とか、そんなものが満ち溢れているような感じだった。

相手は話を続ける。



「生まれつき、私はおしっこが近いので、おもらしとかおねしょをしちゃうんですよ。だからおむつしてるんです。

今でも全然よくなってませんから、毎晩おねしょしますし、おもらしもしょっちゅうします。

でも、なぜでしょう・・・?仕方なくおむつしてるはずなのに、おむつしてると、いつも胸がキュンとするんですよ。

頭では受け付けなくて嫌って言ってても、心の中ではおむつが好きって思ってるんでしょうね。

素直になれない自分がもどかしくて、イライラしてきます・・・」



なるほど。好きと大事の両方とはそう言うことだったのか。説明がうまいから、心情がよく分かるし、助けてあげたくもなる。