「じゃあこの前、お前は何で俺の家の前で立ち止まってたんだ?」
ふと俺は、あの日の不審な少女について相手に尋ねた。
「あれは私です・・・。プレゼントの中身はおむつです・・・。
あの日初めてここへ来たんですけど、侵入してはいけないなと思って帰りました。
すると次の日、私は先輩たちに何度も脅されて、この日こそは絶対に侵入してこいと言われました。
そして放課後、侵入しておむつを置いたのですが、出ようとしたときに誰かが背後から見ていることに気がついたのです・・・」
「それで怖くなって逃げたと。あの時は悪かったな。後ろから見てたのは、俺だ」
「そうだったんですかぁ・・・」
「最初カメラで見た時、玄関の前で棒立ちになった後に帰って行ったけど、それはなぜだ?」
「ここで引き返したら先輩たちにいじめられるけど、このまま侵入したら捕まっちゃうと思って、葛藤していたんです・・・」
「そっか。ところでさ、今日もここに来たってことは、あいつらから何か命令でもされたのか?」
「はい・・・」
この返事だけは自信無さげな口調だった。