黒幕を捕まえた今、俺たちにはもう1つの問題が残されている。本日の侵入者のことだ。

彼女は俺んちに侵入したということでは犯罪を犯してはいる。しかし、何も盗んではいない。

それに、彼女が住居侵入をしたのは昨日と今日だけだと言っている。

しかも、送り付けてきたものは彼女の必需品であるおむつのみだ。



だから俺は、彼女を警察に突き出すかかくまうかで悩んだ。

管理人との約束もあるし、彼女も一応犯罪者だ。



警官が3人をパトカーに乗せている間、俺は彼女のもとへ行き、今自分が置かれている状況を話すことにした。



「いいか?俺はこの家の管理人との約束で、防犯カメラをつけてもらう代わりに、侵入者を発見したら通報しなきゃならない。

それに、法律では他人の家に侵入しただけでも犯罪なんだ」



「分かってます・・・。あなたのことが好きだからということで家に侵入しちゃった私は悪い子・・・。逃げるつもりはありません・・・」



「だけど、俺はお前が犯罪者だとは思えない」



「え?どうしてですか?」



「お前は俺んちから何も盗み出してはいないし、他人の家からも盗んではいない。

そして、このおむつ。お前が無くては困るようなものなのに、俺んちに送り付けてきただろ?」



「はい・・・」