警官はしばらく考え込んだが、これからすべきことを決めたのか、きっと顔を上げてこう話した。



「分かった。この話の続きは署で聞こう」



警察署送りだ。彼女は3人組と同じく容疑者ということで連行される。そして俺も、証人ということで任意同行を求められた。

自宅からおよそ10分ほどで警察署にたどり着いた。事件発生ということもあり、警官たちが署の中を走り回っている。

パトカーから降ろされると、彼女はできるだけ顔が見えないように顔を隠されて、署の建物に入っていく。

覆っていたブルーシートが取っ払われ、他の警官たちが去った後、俺は一人、署の建物へと入っていく。



この警察署の建物は4階建てとなっている。1階は事務的な手続きをするカウンター、2階は所属の警官たちの部屋、3階は取調室、そして4階は勾留施設だ。

彼女らは3回の取調室に移送されている。急がないと、取調室での証人喚問に間に合わない。



エレベーターが設置されているが、『警察官専用』と表記されていたため、やむを得ず階段を上って向かうこととなった。



俺が彼女が取り調べを受けている取調室にたどり着いた時には、すでに彼女の取り調べは始まっていた。