警官は一瞬こっちを見て、「やっと来たか」と言う顔を見せると、すぐに彼女の方を向いた。
「あなたはあの家に何回侵入したのかな?」
「2回です」
「で、送り付けたのはこのおむつだけ?」
「そうです・・・」
「そのおむつって、あなたのもの?」
「はい!私のものです!」
「じゃあ、なんで自分のものを他人の家に送り付けたのかな?」
「私の先輩に、自分が必要としている物を、自分の好きな人に送り付けて来いって言われました・・・」
警官は彼女の答えをまとめ、しばらく俯いて考えていたが、ふと思いついたように顔を上げると、俺からも事情聴取をすると言い出した。
「権藤さん、彼女があなたの家に侵入したのは、間違いなく2回ですよね?」
「はい、そうです」
「では、彼女があなたの家に置いていったものは、おむつ以外にはございませんか?」
「ええ、ありません」
「彼女があなたの家に侵入してきたとき、彼女はどんな表情でしたか?」
「ひどく怯えていました」