約束の日はあっという間にやって来た。
あいつに侵入されては困るので、鍵はあえて開けっぱなしにしておく。
これなら鍵をいじられても、逆に鍵は閉まる。一種のドッキリだ。
約束の時間が近づいてきた。俺は飲み物とお菓子の準備をする。
彼女曰く、2人か3人で来るということだ。休日だが、さすがに父親は来ないだろう。
たぶん、母親と彼女ともう1人の子供が来ると思われるので、1杯にはアイスコーヒーを、残りの2杯にはオレンジジュースを注いだ。
テーブルに飲み物とお菓子を置いたその時、約束の時間になった。そして、
ピーンポーン
ドアホンからも実にタイミングよく呼び出し音が聞こえた。
アプリで防犯カメラの映像を見てみると、確かにあの子を含む3人の姿が。
ドアホンのマイクを起動し、3人に話しかける。
「もしもし?鍵は開いていますから、どうぞお上がりください」