ガチャッ
「お兄ちゃ~ん!こんにちは~!」
「うわっ!」
「こらこら。みのり、いきなりお兄さんに抱きついちゃダメじゃない!」
「失礼します♪」
ドアが開くなり、いきなり彼女が俺に抱きついてきた。
俺は一瞬、心臓が明後日の方へ吹っ飛んでしまいそうになった。
そんな彼女を母親が優しく注意する。取り調べの時とは違う、ほんわかした関係だ。
一方、もう1人の女の子は、わくわくした表情ではあるが、律儀に挨拶をしている。
見る限りは、彼女が妹で、その子は姉であるかと思われた。
「お飲み物とお菓子は用意してありますので、ご自由にどうぞ」
俺は大学生だ。来客の中に大人がいれば、ちゃんと大人の対応はする。
まだまだ未熟で、イライラしやすかったり無礼だったりもするけれど。
「もう本当にすみません。あなたに何と言ったらよいか・・・」
母親がお詫び交じりに感謝の言葉を述べる。