お菓子を食べる前に、母親が2人の女の子の紹介をしてくれた。



「大きい方の子は長女のみのり。今は中学2年生です。

もともと引っ込み思案な子だったんですけど、あの事件以来、明るい子になりました」



「そう言えば聞いてなかったことなんですけど、警察で事情を聞かれた後、何かありましたか?」



「いえ、特に何もありませんでしたよ。学校には知らせは届かなかったみたいです。

ただ、あの事件でテニス部は廃部になりましたが・・・」



テニス部は廃部になったという。まあ、あんな悪しき慣習を持つ部活は潰れて当然なのだが。



「そして、小さい方の子は次女のめぐみ。今は小学5年生です。

2人とも生まれつきおしっこが近いので、よくおもらしやおねしょをしています。

けれど、あの事件が解決してから、昼間はおもらしをしなくなりました」



「それはよかったですね!」



彼女、いや、みのりのおむつ姿を見られないのは残念だ。

だが、おむつを穿かなければいけないことの方が恥ずかしいと思う人は多い。

なので、おむつが外れたことは素直に喜んだ方がいい。俺はそう思った。