皆さんこんにちは。私立ローランス学院宇宙開発学校へようこそ。私は当校の広報を担当するスフォルツァンド=ライチェフです。この度は当校のパンフレットを手に取っていただき、ありがとうございます。ここでは、当校の存在意義と、その学習内容について生徒の1日を通して紹介しております。


 


 当校は全寮制を採用しているため、朝は寮で目覚めます。ご安心ください。寮は最新鋭の設備を備えており、お子様の安全と健康をお約束します。


まず行われるのが、おむつのチェックです。宇宙開発において、トイレという概念はございません。なぜなら、宇宙空間で最も確保しにくく、そして重要なのが水だからです。水に恵まれた地球では、トイレに水を使うことができますが、宇宙空間では、そんなことは許されません。そのため、ここでおむつにおしっこやうんちをすることに慣れさせる必要があるのです。チェックはブロックで分けられ、そこを担当する教員が行います。始めは恥ずかしがってしたがりませんが、宇宙開発教育に必要なため、できるまで指導します。慣れてくると、喜んでおむつにするようになります。生徒には自分用の紙おむつを支給しておりますし、生徒が望むなら、オシャレな紙おむつを5枚限定で渡したりします。


おむつのチェック、交換を済ますと、朝食になります。当校の朝食、夕食は地球製の普通のものを、給食は宇宙食を支給します。写真を見てお気づきだと思われますが、主に室内着は上半身、半袖だけとしております。宇宙開発において水の次に気をつけなければいけないのが病気です。宇宙で未知の病原体に感染すると、免疫がないため瞬く間に感染が拡大し、プロジェクトが破綻しかねないのです。そのため、当校では足首、手首、胸元にモニタリング機能を兼ねたアクセサリを支給し、体調の変化を逐一チェックしております。また、下半身が露出しているのは、おむつの変化を、すぐ教員に気付かせるためです。体からの排出物は、菌やウィルスの検査に適しているからです。


朝食終了後に、学校へと移動します。当校の寮と学校は一繋ぎになっており、環境の変化なしに移動できます。学校では様々な授業を行います。基礎教養学科、体育芸術学科、宇宙開発に関する専門学科、社会生活における専門学科と大まかに4つの学問に分けられ、彼らの進路をサポートします。授業は常に自分専用の電子端末を用いて受けます。また、単位制のため必要な単位を選択して受けることが可能です。さらに、授業はリアルタイムで録画され、何らかの理由(おむつが汚れた等)で中断しても、また受け直すことが可能です。


また、学科の中には実技を伴うものもございます。そのような授業の前には準備室で利尿剤を服用させ、おむつを一度汚させて、交換させてから、実技を行います。


授業は昼食、休憩などを挟み6限まで行われます。掃除は専用のロボットが行うため、生徒たちは行いません。また、昼食前には再度おむつのチェックを行います。生徒は自身のホームルームクラスに戻り、担当教諭におむつをチェックしてもらうのです。ここでおむつが朝から一度も汚れていない場合、昼食後の5限時に、特別指導を行います。先程も申しておりましたように、おむつが彼らのトイレであり、それができなければ彼らの命に関わるのです。そのため、しっかりおむつの中におしっこやうんちが出せるよう、1時限を使いしっかりと指導するのです。


学業の終了後は、自由時間としておりますが、いくつか注意点がございます。


まず外出時には、特別な場合を除き専用の服を支給しております。理由としましては、モニタリングのため、学校の生徒だと巡回中の教員に気づかさせるためなどの、生徒風紀を取り締まり、管理するためです。


次に、部活動の制限です。当校は一般学校のような部活動は採用しておりません。当校は一般とは隔絶された場所で、宇宙開発のスペシャリストを養成する学校です。そのため、他校との交流はできるだけしないように心がけております。当校の部活動は、狭い空間の中での効率的な運動や文化活動のみに限定しております。


最後に当校にはそれらの束縛があるため、彼らのストレスを解放させるための、専用の遊戯室を設けております。遊戯室は生徒の要望に応じた用具が用意してございます。さらに、遊戯室は第1から第27までございます。それぞれ別個のプレイルームとなっており、生徒同士で満足のいくまで遊んでいただくことも可能です。


夕食後は、自由時間兼入浴時間となります。入浴施設は地球規模の浴場と、宇宙で使われるタイプの浴場のみとなります。地球規模の浴場は各ブロックで週1回の持ち回りとなります。


入浴終了後、寝る前におむつチェックし、就寝時間となります。就寝時間前に、彼らには成長抑制薬が入ったドリンクを服用していただきます。宇宙空間では、代謝能力が高いと、それだけエネルギーを浪費してしまうからです。また、設備も小型のほうが、エネルギー効率に長けます。そのため、生徒はここを卒業するまでの7年間、ほぼ変わらない体型のままとなります。もちろん、ここを卒業して宇宙に行かなくてもいいという方のために、成長促進薬を卒業時に支給しますが、当校の卒業生の100%が、宇宙開発事業に携わっております。


 


以上が、当校での生徒たちの1日です。当校は宇宙開発におけるプロフェッショナルを輩出するため、専用の設備、環境を用意し、お子様の未来へのステップアップを補助致します。皆様のご入学、お待ちしております。