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玄関ホールの階段を上ると、ぼくたち家族の一人一人が使う部屋が並んでいる。
早速お姉ちゃんの部屋に向かうと、ドアは開きっぱなしになっていた。
「お姉ちゃん、入っていい?」 「あ、くん?いいよー」 返事が聞こえてすぐに中に入った。
お姉ちゃんは、朝日が差し込む窓際にあるベッドで、いつものように優しく笑っていた。 手足が動かないから自由はきかないけれど、尻尾でボタンを操作してベッドを起こす事はできるから、ぼくが覗き込まなくても顔を見てお話できる。
かけ布団は足元で畳まれていて、薄青色の介護服が上下の両方見えるようになっていた。 ボタンで外せるようになっているズボンは今は開いていて、ぼくと同じ種類だけど可愛い模様の女の子用紙おむつが丸見えだ。 「おはよう、くん」 「おはよう、お姉ちゃん。お兄さんは今はいないの?」 「ちょうど今朝ご飯を食べたところだから、これからお風呂なの。お兄さんは、お湯を沸かしに行ってるわ」
朝ご飯の後に、濡れたおむつにあたっていた体を洗うのはお姉ちゃんの毎日の習慣だ。 「あ、そうそう。おむつが切れちゃったから、お姉ちゃんの分もお昼までしかないみたいなの」 「そうなの?それは困るね……」 そう言いながら、尻尾の先で自分の膨らんだおむつの前当てをなでるお姉ちゃん。
お姉ちゃんは10歳の今までずっとおむつが取れたことが無いから、おしっこを我慢できないんだ。 おむつが切れたら、困っちゃう事になる。
「ねえ、くん。このおむつにあとどれくらいおしっこできそうか、ちょっと開けてみてくれない?」 「え、ぼくが?」 「うん。もしかしたら、まだこのおむつをあててないといけないかもしれないし……」
ぼくは、何て答えよう?
( シュージ / 09/03/25(Wed) 00:32 )
A. おむつ
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