[ 93 ]
僕が彼らの所へたどり着く頃には、女の子もすでに壁の裏へと降りていた。
とにかく、話しかけてみることにする。
「ねえ君たち、何してるの?」

男の子はこう答えた。
「裏山に遊びに行くんだ。お前も来るか?」

裏山かぁ。面白い所なんだろうか?
だとしたら行ってみたいな。
「うん、いっしょに行くよ」

「よし、じゃあ頂上目指して行くぞ!」
「おにいちゃん、まって」

男の子が山奥に向かって走り出そうとすると、小さい女の子が兄の服を掴んで止める。

「どうした?」
「あの、お……」

女の子が何か言おうとするが、僕と目が合うと黙ってしまった。

「もしかして、やっちゃったか?」

兄の問いかけに対し、妹はだまってうなずいた。

「よし、待ってろよ」

兄はそういうと、リュックの中から何かを取り出した。
( 神夢月 / 09/11/07(Sat) 14:59 )
A. それは、さっき見たばかりのものだった